マナーの基本事典 冠婚葬祭のすべて 

日本の行事における様々なしきたりについての疑問を解決するマナーの基本事典

【子供に関するお祝い事一覧】 金額の相場や表書き 親族や知人に子供ができたら知っておきたいお祝いの基礎知識

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子供が生まれたら成長の過程で様々な行事があり、家族や親しい人たちでお祝いをします。

自分や親族のお祝いはもちろん、親しい友人や知人に子供ができたらなにかしらお祝いをしたいと思われる方も多いのではないでしょうか。

この記事では子供が生まれてから行われる行事をもとに、お祝いの相場や時期などをまとめました。

以前に自分もお祝いを頂いていた場合は相手にも同じお祝いごとが訪れたときに適切なタイミングでお祝いをしましょう。

 

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子供の成長のお祝い事を行うスケジュール一覧

帯祝い 妊娠五ヶ月目の戍の日の一週間くらい前まで
出産祝い 出産後一ヶ月以内
お七夜 出産の翌日から数えて七日目の夜に祝う
お宮参り 生後一ヶ月前後に行う
お食い初め 生後100日前後に行う
初誕生祝い 子供の満一歳の誕生日
初節句 初めて迎える節句。女子は3月3日・男子は5月5日
七五三 三歳・五歳・七歳の11月15日
入学・入園 祝いを贈る場合は入学前後一ヶ月以内
成人式 お祝いを贈る場合は成人式の一週間前までか二十歳の誕生日

帯祝いを贈る時期と金額の目安とお返し

金額の目安 3千円~1万円
時期 妊娠五ヶ月目の戌の日の一週間くらい前に
水引・のし 紅白蝶結び・のしつき
表書き 「御祝」「御帯祝」
お返し

基本的には不要。安産祈願後に会食でもてなすか、礼状を出す。
※病院や産院で着帯の指導を受けた際のお礼は「御礼」として3~5千円程度の現金を包む場合もある。

帯祝いは、妊娠五ヶ月目の戌の日(いぬのひ)に、岩田帯と呼ばれる腹帯を巻いて妊娠を祝い、出産の無事を祈る儀式です。
戌の日に行うのは、安産・多産である犬にあやかりたいという縁起を担いでのこと。

出産祝いを贈る時期と金額の目安とお返し

金額の目安 5千円~1万円
時期 出産後、一週間から一ヶ月以内
水引・のし 紅白蝶結び・のしつき
表書き 「御出産御祝」「御祝」「御安産御祝」
お返し 表書きは「内祝」または「出産内祝」とし、赤ちゃんの名前とふりがなを書いたのしを掛ける。頂いたお祝いの半額~3分の1程度を目安に贈る。

出産のお祝いは必ず出産の報告があってからにしましょう。
妊娠を知らされ予定日が分かっていても、母子ともに無事の報告を受けるまではお祝いはしないのがマナーです。
また、出産直後は母子ともに落ち着かないのでよほど親しくない限り病院まで駆けつけるのは避けます。
訪問する場合でも、幼児を連れて行かない、新生児をむやみに抱かないなどの配慮が必要です。

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お七夜のお祝いを贈る時期と金額の目安とお返し

金額の目安 5千円~1万円
時期 当日招待されたら持参する
水引・のし 紅白蝶結び・のしつき
表書き 「御祝」「祝御七夜」「御酒肴料」
お返し 基本的には不要。祝いの席に招き、もてなすことでお返しとする。

出産の翌日から数えて7日目の夜に親しい友人や親戚を招いて赤ちゃんの名前を決め、健やかな成長を願う行事です。

お七夜は成長する見込みがたった節目として重要なお祝いとして行われてきました。
退院直後にあたるため、退院祝いを兼ねた祝い膳を身内で囲みます。
お七夜に招待されたらご祝儀や、祝い膳の費用として酒肴料を包みます。招待を受けた祖父母が包む場合は「御酒肴料」とし、お祝いする赤ちゃんが孫や姪などの場合は、金額は奇数にするのがマナーとされています。

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お宮参りのお祝いを贈る時期と金額の目安とお返し

金額の目安 1万円~10万円
時期 当日持参する
水引・のし 紅白蝶結び・のしつき
表書き 「御祝」「祝御宮参」「衣装料」
お返し 基本的には不要。神社への御礼は「初穂料」などとし、赤ちゃんの名前を書いて5000円程度を目安として包む

お宮参りは、生後一ヶ月前後に行い、その土地の守り神に赤ちゃんの誕生を報告し、健やかな成長を祈願する行事です。厳密な日数にこだわらなくても、一ヶ月検診で問題がなければ赤ちゃんと母親の体調や、天候などが良好な日を選んでお参りするとよいでしょう。

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お食い初めのお祝いを贈る時期と金額の目安とお返し

金額の目安 5千円~1万円
時期 当日持参、もしくは前日に渡す
水引・のし 紅白蝶結び・のしつき
表書き 「御祝」「御初膳御祝」
お返し 基本的には不要。祝いの席でもてなすことでお返しとする。
また、身内以外からお祝いを頂いた場合は赤ちゃんの名前で「内祝」としてお返しする場合もある。

子供が一生食べ物に困らないようにとの願いをこめて、生後100日前後に行う行事です。別名「百日の祝い(ももかのいわい)」とも呼ばれ、祝い膳を用意し、赤ちゃんに食べる真似をさせます。

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初誕生のお祝いを贈る時期と金額の目安とお返し

金額の目安 5千円~2万円
時期 誕生日前か、招待されている場合は当日持参する
水引・のし 紅白蝶結び・のしつき
表書き 「御祝」「初誕生御祝」
お返し 基本的には不要。祝いの席でもてなすことでお返しとする。
また、招待していない人からお祝いを頂いた場合は赤ちゃんの名前で「内祝」として礼状そ添えてお返しする。

子供の満一歳の誕生日を祝う行事で、そろそろ歩き始める時期でもあるので、「誕生餅」や「一升餅」などと呼ばれる餅を背をわせたり踏ませたりする習慣もあります。

一升は「一生」、餅は「力持ち」に通じ、赤ちゃんが一生食べ物に不自由せず、力強くたくましい子に育ってほしいとの願いを込めて行います。

最近ではごく親しい身内だけでバースデーケーキを用意して"誕生パーティー"として行うのが主流になってきています。

出産祝いの時期を逃してしまった人にも、初誕生祝いはお祝いを贈るよい機会でもあります。

初節句のお祝いを贈る時期と金額の目安とお返し

金額の目安 5千円~5万円
時期 当日持参する
水引・のし 紅白蝶結び・のしつき
表書き 「御祝」「初節句御祝」
お返し 基本的には不要。祝いの席でもてなすことでお返しとする。

赤ちゃんが初めて迎える節句を「初節句」といいます。
女の子は3月3日の桃の節句に雛人形を飾り、男の子は5月5日の端午の節句に五月人形などを飾ります。
初節句を迎える赤ちゃんの月齢はまちまちなので、生まれて1、2ヶ月で迎える場合は、赤ちゃんや母親の体調も考慮して翌年にするほうが賢明です。

初節句は身内のお祝いですので、特にお返しは必要ないとされていますが、お返しをするなら、ちまきや柏餅、赤飯などを手土産として贈ります。遠方の方に贈る場合は表書きは「内祝」とし、子供の名前を書き一ヶ月以内に贈ります。

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七五三のお祝いを贈る時期と金額の目安とお返し

金額の目安 3千円~1万円
時期 祝い着を贈る場合は一ヶ月前、それ以外は当日
水引・のし 紅白蝶結び・のしつき
表書き 「御祝」「七五三御祝」
お返し 基本的には不要。祝いの席でもてなすことでお返しとする。
神社への御礼は「初穂料」や「玉串料」とする

子供の成長の節目となる年に、健やかな成長を感謝して氏神様にお参りする行事です。
11月15日前後で都合の良い日に祝います。遅れるよりは早めに行うのが主流。

男児は3歳と5歳(地域によっては5歳のみ)、女児は5歳と7歳を祝います。

かつては乳幼児の死亡率が高かった時代に、7歳までの子供は「神の子」とされており、子供の成長の節目に感謝し、将来の幸せを祈る宮中や公家、武家の風習でした。

七五三は数え年で行う行事でしたが、子供が小さいうちは体力がないので満年齢で祝うことが一般的になってきました。

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入園・入学・進学のお祝いを贈る時期と金額の目安とお返し

金額の目安 5千円~2万円
時期 入園・入学式の一ヶ月前後
水引・のし 紅白蝶結び・のしつき
表書き 「御祝」「御入学御祝」「御入園御祝」「御進学御祝」
お返し 基本的には不要。先方の子供が入学などする際にお祝いを贈る。また、礼状は必ず出し、中学生以上の子供の場合は子供本人が書くようにする。

入園や入学などのお祝いは身内のお祝いなので、儀礼的な付き合いでお祝いをする必要はないとされていますので、お返しの意味での「内祝」も不要とされていますが、礼状は必ず出すようにしましょう。子供が小さい時は親が代筆し、中学生以上の場合は子供本人が書くようにします。

また、先方に子供がいないなどで、同じような場面でお祝いができない場合は、頂いたお祝いの半額から3分の1程度の「内祝」を贈ります。その際の表書きは「内祝」とし、子供の名前を入れます。

卒業祝いや合格祝いよりも優先し、卒業後あまり間を置かずに贈りましょう。

成人・卒業・就職のお祝いを贈る時期と金額の目安とお返し

金額の目安 5千円~3万円
時期 成人式・卒業式・入社式の前までに
水引・のし 紅白蝶結び・のしつき
表書き 「御祝」「御就職御祝」「御卒業御祝」
「御進学御祝」「御成人御祝」
お返し 基本的には不要。本人自ら礼状を出す。

基本的には身内のお祝いなので儀礼的なお付き合いでお祝いをする必要はないとされていますが、お祝いを贈る場合は入社式や卒業式の一週間前までに贈るようにしましょう。成人祝いの場合は成人式の一週間ほど前か二十歳の誕生日に贈るのもよいでしょう。

また、お返しも基本的には不要とされていますが、就職祝いを頂いた場合は初任給で気持ち程度の品を持参してあいさつに伺うのも喜ばれるでしょう。

卒業祝いより、入学や就職祝いを優先とします。卒業後の就職が決まっていないなどの場合は卒業祝いを贈るとよいでしょう。

贈る範囲や金額はあくまで一般的な目安ですので、お付き合いの度合いや血縁の深さなどで判断を。

また同じようなお祝いを先に頂いていた場合は、その際の金額を参考に贈るとよいでしょう。 

 子供に関するお祝いは、基本的には親しい間柄で行われる行事がほとんどですので、
親や親戚など周りと相談しながら決めるようにしましょう。
どれも子供の成長を喜び、幸せを願う行事ばかりですので家族皆で相談されることをおすすめします。

 

 【参考文献】
[最新ビジュアル版]冠婚葬祭お金とマナー大辞典:主婦の友社編
冠婚葬祭とマナーの基本事典:ザ・アール監修・成美堂出版
作法が身につく しきたりがわかる 冠婚葬祭マナーの便利帖:岩下宣子 (著, 監修, 監修)
三越伊勢丹の最新 儀式110番: こんなときどうする? 冠婚葬祭:三越伊勢丹ホールディングス (著)